剣山 (徳島)
剣山(つるぎさん)は徳島県のほぼ中央にあり、日本百名山の一つで、標高は1,955mです。西日本では、石鎚山(いしづちさん)に次ぐ第2の高峰です。
名前の由来は、壇ノ浦の戦い(1185年)で敗れた平家・安徳天皇が密かに生き延び、三種の神器のひとつである宝剣をこの山に納めたことからだとされています。
登山口から中腹までは登山リフトで上がることができ、歩きやすいコースが整備されているため、日本百名山の中で最も登りやすい山ともいわれています。
登山初心者だけれど、高い山を登って雲を下に見る絶景を体験したいという方におすすめの山といえます。
剣山の周辺ルート
剣山の紅葉シーズンである10月には大勢の観光客が訪れ、マイカーで訪れる場合、駐車スペースも争奪戦になるくらいだそうです。
公共交通機関で行く場合には、登山シーズンのみに運行している「ぐるっと剣山登山バス」が便利です。
JR貞光駅前、道の駅貞光ゆうゆう館、つるぎ町役場本庁などから発着し、リフト乗り場の近くまで運んでくれます。
もうひとつ「池田東祖谷ルート」もありますので、かずら橋のある祖谷の観光の後に訪れる方には便利です。
運行の日時は最新情報をネット等で確認してご利用ください。
ぐるっと剣山登山バス
https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kurashi/chihososei/7303578/
剣山の紅葉ベストシーズンを外し、山の麓ではまた紅葉がきれいに見られる11月中旬に訪れました。
そして、初めての剣山ということで、大事をとって体力を温存するため、前日にリフト乗り場近くの宿に泊まりました。
剣山の山頂付近には、剣山頂上ヒュッテをはじめとして、民宿などいくつかの宿があります。
今回は「ラ·フォーレつるぎ山」というペンションを利用しました。標高1500mに建つ宿ながら、大浴場もあり、食事の用意もあって、便利で快適でした。リフト乗り場まで車で6分の位置にあり便利です。

三つの登山ルート
どれも比較的歩きやすいコース
剣山の山頂を目指すには、3つのルートがあります。
最短で登れる、尾根道コース(所要時間約40分)/剣山御神水の湧水スポットに立ち寄れる、大剣神社コース(所要時間約60分)/のんびり登山を楽しめる遊歩道コース(所要時間約80分)です。
詳しくはこちらを参照ください。
剣山登山特集
https://nishi-awa.jp/tsurugisan/
大剣神社コース
名水100選の剣山御神水に立ち寄れるコース
今回は、大剣神社コースを選択しました。
★1 剣山観光登山リフト
剣山登山リフト見ノ越駅を出発し、西島駅に向かいます。
★2 剣山登山リフト西島駅
約15分で到着、料金は大人往復で1900円でした。
★3 木立と苔と霧の山中
霧が立ち込めている中を登っていきます。道は険しくはありません。気温は低めですが、歩いている間に暖かくなり、上着を脱ぎたくなるほどでした。
★4 大剣神社(おおつるぎじんじゃ)
標高1820mに位置し、展望の良い場所にある神社です。
「悪縁を絶ち、良縁を結ぶ」とされ、縁結びの神様です。社殿のうしろに立つ巨大な石が御神体です。
★5 クマザサが茂る山道
あたり一帯にクマザサが生い茂っています。この剣山周辺は、四国で唯一のツキノワグマが生息している地域です。その個体はほんのわずかで、絶滅の危機にさらされています。
★6 剣山本宮 宝蔵石神社
標高1955mの剣山の1930m地点に鎮座しています。銀色に光るステンレス製の鳥居が特徴的です。
神社の裏手には、源平の戦いに破れた平家の一行が安徳天皇と共に剣山に逃れてきた際、安徳天皇の宝剣を納めたという巨大な磐座(いわくら)があります。
★7 剣山頂上ヒュッテ
剣山の頂上の近くにある山小屋です。 4月下旬から11月下旬まで営業し、食事や宿泊ができます。お風呂も用意されています。
★8 頂上までの木道
山頂付近は木道が整備され、登山者に優しいだけでなく、そのほかの部分に立ち入らせないことで環境保護の役目を果たしています。
★9 山頂
山の天気は変わりやすく、登頂間近の晴天は、あっという間に曇天に。
★10 剣山頂上から見る次郎笈
剣山頂上から次郎笈まで往復50分ほどです。
★11 徳島県立剣山山頂あわエコトイレ
カキ殻の微生物を利用して汚水を浄化し、循環させて再利用するなど、環境に配慮したトイレです。太陽光パネルやヘリポートも設置しています。
★12 剣山御神水(つるぎさんおしきみず)
剣山山頂付近から湧出し、昔から病気を治す若返りの水といわれています。平家ゆかりの祖谷川の源流であり、御神水はミネラル分が豊富です。名水百選にも選ばれています。
剣山周辺には、自然豊かな観光地がたくさんあります。
せっかく徳島の奥深い地まで訪れたなら、剣山登山だけでなく、周辺の観光もいかがでしょうか。
大歩危・小歩危、祖谷のレポートはこちら